-- 6穴フルート・横笛 --
「横笛用のジブリの楽譜はありませんか」という問いあわせをお客さんから頂きました。
過去にも同様のメールを何回か頂きましたので、きちんと説明します。
エリックさんの横笛やトニーディクソンのフルートなど、西洋の6穴笛はまだまだマイナーな楽器ですから、専用の楽譜はありません。ですから街の楽器屋で売っているふつうの楽譜を見ながら曲を覚えることになります。
知っている曲、覚えている曲であること
言わずもがな、知らない曲・聞いたことのない曲を楽譜から読みとるには相当の鍛錬を必要とします。ですから今から笛で吹く曲は、既に知っている曲、覚えている曲であることを前提とします。つまり笛で吹きたいなと思っている曲は、ぜんぶそらで歌える、鼻歌で歌える、口笛で吹ける曲に限ります。
知らない曲、うろ覚えの曲の場合は?
聞いて覚えるのが先です。CDを買ってきてカラオケを覚えるように、何度も繰りかえし聞きながらいっしょに歌って覚えます。CDを買わなくても、インターネットでYouTubeの動画やフリーの音源を見つけることができればお金はかかりません。
少しは楽譜が読めること
ここでは楽譜を読めない人のために、楽譜を見ながら曲を覚える方法を説明しています。が、ほんとうにまったく楽譜が読めないようではどうしょうもありません。せめて小学校の音楽の時間に習った程度の知識は必要です。まったく楽譜が読めない人は楽譜の読める人に基礎を教わったり、楽譜の読み方の本を買って自分で勉強してください。
オカリナやリコーダー用の楽譜がお勧め
楽譜はオカリナやリコーダー用がよいと思います。同じ笛族ですし音域もにたようなものですし。吹きたい曲がうろ覚えなら、お手本CDの付いた楽譜を買うとよいでしょう。音符の下に歌詞が記入されている楽譜は、メロディーを追いかけやすく読みやすいです。
横笛の音階について
横笛で使う音階は次の2とおりです。
実際、ほとんどの曲はこのどちらかの音階で吹けるものです。横笛の音域はがんばって2オクターブ程度です。それに収まらない曲は吹けません。諦めて他の曲にしてください。
なお小さな笛でも大きな笛でも、関係なくこのとおりです。
同じように吹いても小さな笛なら高い音に聞こえる、大きな笛なら低い音に聞こえる。それだけのことです。
横笛の音階 (第一ポジションと言います)
○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ
横笛の音階 (第二ポジションと言います)
○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ
さて、
横笛のドレミファの音階は上のとおりだと説明しました。そして既に知っている曲を笛で吹くという前提でした。ならばあとは、その曲をドレミで歌うことができれば笛でも吹けるはずです。そうでしょう?
「ドレミドソーミ レーソーレー ドラミードシー」は
『千と千尋の神隠し』のエンディング『いつも何度でも』の出だしです。第二ポジションの音階で吹けるはずですよ。(つかここまで吹けたらあとは楽譜なしでも手探りで最後まで吹けるのではありませんか?)
楽譜にドレミファを書きこんでいく
既に知っている曲なんだから、ドレミファで歌うことができればそのまま笛に置きかえて演奏できるはずです。だから楽譜にドレミファを書きこんでいけばいいです。ダカーポがなんだとか6/8がどうとか、難しいことは無視してください。とにかく曲の部分部分でドレミファが分かりさえすれば、あとは既に知っている曲なんだから何とかなるはずです。とにかくドレミファをはっきりさせる、あとは記憶を頼りに笛で吹く。
ドレミファの書き方にコツがある
肝心なことをひとつ。楽譜の先頭にある#やbの個数で、ドの位置が上下にずれます。このような楽譜の読み方を「移動ド読み」と言います。とにかくこんな変わった読み方があるんだな、とだけ知っておいてください。
覚えたい曲の楽譜の先頭を見て、#やbの個数を数えて、下の表のとおりにドレミファを書きこんでいきます。
先頭に#がついている楽譜のドレミ
先頭にbがついている楽譜のドレミ
楽譜の途中に#やbが出てきたら
要はそこだけ半音上げるか下げるかして吹いてください、ということです。
箇所は少ないはずですから、いっそそこだけ、ああでもないこうでもないと正しい音を探すのが早いです。どうせその付近の音です。
そうでなくても(なんだかどうにもおかしい?)と思ったときには、自分の耳を信じて、その付近で正しい音を探してください。ひどい話ですが、お金を取って売っている楽譜でも間違っていることがあります。無料で配布している楽譜なら茶飯事です。
音を半音上げたり下げたりするには、指をひねって指穴を半分だけあけます。横笛の吹き方の基本的な話は過去の記事を参照してください。
私に説明できるのはこんなところですか。
因みにジブリの曲(久石譲の曲)は、けっこう臨時の#やbが多いですよ。
それでは健闘を祈ります。