2011年05月15日

灯夜

投稿者:ディクソンのフルートの練習曲さん

てるみ屋でLowDのフルートを購入してからけっこうな月日がたちます。

まだまだ安定してるとは言いがたいですが、低音から高音まで自分の思うまま
に出せるようになってきましたので、ちゃんとした練習曲がほしいなと思い、
投稿させてもらいました。

今まで吹いてきた曲はボーカロイドやアニメソングの楽譜を移動ド読みで吹い
てきました。
ですが歌い方のクセ等をまねてしまったりと練習曲に向いてるとは思えません
でした・・・

なので、他楽器のものでもかまわないので、おすすめの曲集等がありましたら
教えていただけないでしょうか?
(○○の楽器の曲集を買えばいいよ!とか・・・)

抽象的な質問ですが、よろしくお願いします。


 

2010年08月13日

横笛演奏 『君をのせて』

ジブリ映画『天空の城ラピュタ』のエンディング『君をのせて』です。著作権料の支払い義務を回避するために動画にしてYouTubeに投稿しました。

使用楽器について

メロディーを演奏したのはアーストーン・フルートの木管フルートF管です。アーストーン・フルートは北米のインディアンフルート工房で、最近は横笛の製作・販売に移行しました。コンサートフルートのようなリッププレートがついていてコンサートフルートのようなクリアな音色、それでいて木管らしい暖かな印象です。操作性もよく、私の最近のお気にいりなのですが…なんかぜんぜん売れません。木管で値段が高価というのもあるでしょうが、エリックさんの横笛のように宣伝に力を入れていないことが原因だと考えました。今後は宣伝に力を入れていきます。

演奏について

運指はサードポジション―いちばん上の指穴を半分あけた音がド―です。私では、笛カポなしではとても演奏できません。

●…指穴をふさぐ ○…指穴をあける 半分黒…半分だけ指穴をふさぐ

日本の篠笛よりも西洋のフルートのように、あまり抑揚をつけずさらっと吹く曲だと理解しています。音の区切りをはっきりさせるためにタンギング技術が必須です。ってもぜんぶをタンギングで区切ってしまうとカチカチな音色になってしまうでしょうから。私は長い音は呼吸で、4分音符は唇で、8分音符が続くところはタンギングで区切っています。

カット技やスライド技をしかける隙のない、上手っぽく見せかける小技が使いにくい曲です。全般にジブリの映画音楽―久石譲の曲―はごまかしのきかない難しい曲です。私は何度も録音してきれいに演奏できた箇所をつぎはぎして、この試聴サンプルを完成させました。もし人前でライブ演奏するならできるだけ練習してください。

ここに楽譜や運指表を載せると著作権料の支払い義務が発生しますので、載せることができません。そらで歌える曲なら笛でも吹けるでしょう。出だしは「ラシドーシドーミーシー ミーラーソラードーソー」です。続きは自分で音を探してください。あるいはオカリナ用の楽譜を買ってきて、楽譜の読める家族や友人に「”移動ド”でドレミを書いて」と頼むといいです。

使用機材

マイクロホン: MC10ST
ミキサー: XENYX802
レコーダー: R-09HR
パソコン: 自作
音楽ソフト: BAND-IN-A-BOX, Music Creator, iZotopeRX, フリーのVSTエフェクタ多数

 

2010年07月10日

LowDの六穴フルートで楽譜の読み方

投稿者:夕凪 伶さん

ディクソンの六穴フルートを購入しようと考えているレイと言います。

私は吹奏楽でフルート(C菅)を少しだけ吹いていたのですが、そのときに習っ
たドイツ音名のことが気になり投稿させてもらいました。
(途中で退部してしまったので、知識はわずかしかありません)

そして質問の楽譜の読み方なのですが
「固定ドを移動ドに変換する」を使った後、または移動ド読みを行い、
「ドレミファソラシ」になったとします。

このドレミファソラシをC菅の六穴フルートで吹くと
「C D E F G A H」ですよね?

もしこのドレミファソラシをLowD菅の六穴フルートで吹いた場合、レ(D)始まり
で、ファ(F)とド(C)に♯が付いた

「D E Fis G A H Cis」になるんでしょうか?

それとも、菅の種類に関係なく、移動ド読みを行った後は、日本語のドレミ(
ド=C)の読み方で吹いても大丈夫なのでしょうか?

書き方がややこしくなってしまい申し訳ありませんが、Wiki等で調べても良く
わからなかったので、下記の点について説明してもらえると嬉しいです。

・D菅の楽器でも、普通にドレミ読み&移動ド読みですべての楽譜(ピアノ譜等
)を演奏できるか。


 

2010年04月10日

今日から吟遊詩人 概要2

花びらの形の愛らしいハープ、リトルミンストレルで好きな曲を伴奏つきで演奏しましょう。
» リトルミンストレルを弾いてみた

リトルミンストレルの弾き方教室第2回、最初に大切なことや注意事項などを説明しておきます。

重要なのは伴奏のルール

この弾き方教室ではリトルミンストレルを使って、自分の知っている曲を伴奏つきで演奏する方法を説明します。この教室で説明するいちばん重要なことは、伴奏のルールです。リトルミンストレルには伴奏するためのかんたんなルールがいくつかあって、ルールさえ覚えればなんでも伴奏できてしまいます。

自分の大好きな曲の、メロディーがもし弾けるならそのまま伴奏つきで弾けてしまう…これはほんとうに楽しいですよ。自分が演奏していても、まるで魔法のようです。

知っている曲にかぎる

この弾き方教室は日曜音楽家を対象にしています。いつも仕事や勉強に忙しくて自由時間なんてほとんどない。わずかな自由時間も休養や遊びに忙しくて、楽器を練習する暇なんてぜんぜん残らない。楽譜も読めないような人が、えっちらおっちら楽器演奏を楽しめるようになることを目標としています。

楽譜が読めなくても仕方ないよね、としましたから、だから演奏する曲は自分が知っている曲にかぎります。

指一本でメロディーが弾けたら合格

これは…できるでしょう。知っている曲を「ソーラソミレドドーラー」とドレミで歌える★1 なら、ドレミファソラシドの弦をメロディーのとおりに弾けばいいです。

練習できなくても仕方ないよね、としましたから、指一本でぽちぽち弾く程度です。伴奏をつけることを考えると、指一本しか使えないほうがいっそ好都合かも。一本の指でメロディーを弾いて、残りの指でポロンと伴奏を入れます。

素晴らしい演奏を期待しない

練習できなくても仕方ないよね、としましたから、一流のハーピストのような素晴らしい演奏ができるようになる、なんて期待しないでください。練習しないのだから相応のことしかできませんよ。またリトルミンストレル自体が子ども用の教材楽器です。そんなにすごいことはできません。音域が1オクターブちょっとしかありませんから、そもそも音が足りなくて弾けない曲も多いです。

ただし教材楽器だけあって、伴奏のルールを学ぶには最適です。リトルミンストレルを極めて「私ならもっとすごい曲だって弾けるはず」と実感したら、プロ用のハープやライアーを習えばいいです。そこまでならなくてもリトルミンストレルは音色が美しいので、ぽちぽち弾くだけでも十分に楽しめます。ちょっとまじめに練習すれば、友だちを招いたささやかなコンサートや宴会の隠し芸としてりっぱに通用しますよ。

★1 ドレミについて

大事なのは、
自分の知っている曲のメロディーをリトルミンストレルでなんとか弾ける、ということです。
メロディーが弾けさえするなら、ドレミで歌えなくてもぜんぜん問題ありません。
あれこれ考えず実際に弾いてみたほうが早いかもしれませんよ。

ドレミで歌うときは”移動ド”のドレミで歌うように。
”移動ド”で歌うと、ほとんどの曲は最後がドかラの音で終わるはずです。「最後がドーで終わるのは長調の曲、長調は明るい楽しい感じがします。」「最後がラーで終わるのは短調の曲、短調は暗くて悲しい感じがします。」と小学校の音楽の時間に習ったでしょう。「私の知っている曲はファーで終わるけど。」「レーで終わるけど。」というのは”固定ド”で歌うからそうなのです。”移動ド”で歌ってください。

「移動ドなんてよく分からない」という方へ。
知っている曲を移動ドで歌う方法について、伴奏のルールを説明した後に説明します。デュエットオカリナの吹き方教室でも同じことを説明していますから、急ぎであればそちらを参考にしてください。

大事なのは自分の知っている曲のメロディーをリトルミンストレルでなんとか弾ける、ということです。

 

2009年10月18日

横笛の吹き方 楽譜の曲の覚えかた

「横笛用のジブリの楽譜はありませんか」という問いあわせをお客さんから頂きました。
過去にも同様のメールを何回か頂きましたので、きちんと説明します。

エリックさんの横笛やトニーディクソンのフルートなど、西洋の6穴笛はまだまだマイナーな楽器ですから、専用の楽譜はありません。ですから街の楽器屋で売っているふつうの楽譜を見ながら曲を覚えることになります。

知っている曲、覚えている曲であること

言わずもがな、知らない曲・聞いたことのない曲を楽譜から読みとるには相当の鍛錬を必要とします。ですから今から笛で吹く曲は、既に知っている曲、覚えている曲であることを前提とします。つまり笛で吹きたいなと思っている曲は、ぜんぶそらで歌える、鼻歌で歌える、口笛で吹ける曲に限ります。

知らない曲、うろ覚えの曲の場合は?
聞いて覚えるのが先です。CDを買ってきてカラオケを覚えるように、何度も繰りかえし聞きながらいっしょに歌って覚えます。CDを買わなくても、インターネットでYouTubeの動画やフリーの音源を見つけることができればお金はかかりません。

少しは楽譜が読めること

ここでは楽譜を読めない人のために、楽譜を見ながら曲を覚える方法を説明しています。が、ほんとうにまったく楽譜が読めないようではどうしょうもありません。せめて小学校の音楽の時間に習った程度の知識は必要です。まったく楽譜が読めない人は楽譜の読める人に基礎を教わったり、楽譜の読み方の本を買って自分で勉強してください。

オカリナやリコーダー用の楽譜がお勧め

楽譜はオカリナやリコーダー用がよいと思います。同じ笛族ですし音域もにたようなものですし。吹きたい曲がうろ覚えなら、お手本CDの付いた楽譜を買うとよいでしょう。音符の下に歌詞が記入されている楽譜は、メロディーを追いかけやすく読みやすいです。

横笛の音階について

横笛で使う音階は次の2とおりです。
実際、ほとんどの曲はこのどちらかの音階で吹けるものです。横笛の音域はがんばって2オクターブ程度です。それに収まらない曲は吹けません。諦めて他の曲にしてください。

なお小さな笛でも大きな笛でも、関係なくこのとおりです。
同じように吹いても小さな笛なら高い音に聞こえる、大きな笛なら低い音に聞こえる。それだけのことです。

横笛の音階 (第一ポジションと言います)

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ


横笛の音階 (第二ポジションと言います)

○…指穴をあける、●…指穴をふさぐ

さて、 横笛のドレミファの音階は上のとおりだと説明しました。そして既に知っている曲を笛で吹くという前提でした。ならばあとは、その曲をドレミで歌うことができれば笛でも吹けるはずです。そうでしょう?

「ドレミドソーミ レーソーレー ドラミードシー」は
『千と千尋の神隠し』のエンディング『いつも何度でも』の出だしです。第二ポジションの音階で吹けるはずですよ。(つかここまで吹けたらあとは楽譜なしでも手探りで最後まで吹けるのではありませんか?)

楽譜にドレミファを書きこんでいく

既に知っている曲なんだから、ドレミファで歌うことができればそのまま笛に置きかえて演奏できるはずです。だから楽譜にドレミファを書きこんでいけばいいです。ダカーポがなんだとか6/8がどうとか、難しいことは無視してください。とにかく曲の部分部分でドレミファが分かりさえすれば、あとは既に知っている曲なんだから何とかなるはずです。とにかくドレミファをはっきりさせる、あとは記憶を頼りに笛で吹く。

ドレミファの書き方にコツがある

肝心なことをひとつ。楽譜の先頭にある#やbの個数で、ドの位置が上下にずれます。このような楽譜の読み方を「移動ド読み」と言います。とにかくこんな変わった読み方があるんだな、とだけ知っておいてください。

覚えたい曲の楽譜の先頭を見て、#やbの個数を数えて、下の表のとおりにドレミファを書きこんでいきます。

先頭に#がついている楽譜のドレミ


先頭にbがついている楽譜のドレミ


楽譜の途中に#やbが出てきたら

要はそこだけ半音上げるか下げるかして吹いてください、ということです。
箇所は少ないはずですから、いっそそこだけ、ああでもないこうでもないと正しい音を探すのが早いです。どうせその付近の音です。

そうでなくても(なんだかどうにもおかしい?)と思ったときには、自分の耳を信じて、その付近で正しい音を探してください。ひどい話ですが、お金を取って売っている楽譜でも間違っていることがあります。無料で配布している楽譜なら茶飯事です。

音を半音上げたり下げたりするには、指をひねって指穴を半分だけあけます。横笛の吹き方の基本的な話は過去の記事を参照してください。

私に説明できるのはこんなところですか。
因みにジブリの曲(久石譲の曲)は、けっこう臨時の#やbが多いですよ。
それでは健闘を祈ります。

 

2008年12月15日

鼻笛の吹き方、曲の高さを決めるには

鼻笛は鼻息で鳴らす笛。口笛のようなオカリナのようなきれいな音です。曲を吹いていて、高くなりすぎて吹けない・低くなりすぎて吹けないということがあります。吹きはじめる前に確かめておくといいです。

いちばん高い音、低い音から決める

いきあたりばったりに曲を吹きはじめると、曲の途中で音が高くなりすぎたり逆に低くなりすぎて吹けなくなることがあります。(私にはあるんです。)
これは最初に無理なく吹ける高音あるいは低音を探して、そこから曲の高さを逆算して吹きはじめると解決できます。私はよく低くなりすぎるので、そっちで説明します。

  1. 鼻笛を鳴らす
  2. 鳴らしながら音を下げて、これなら無理なく吹けるという低音で止める
  3. それが、今から吹くつもりの曲の中でいちばん低い音
  4. いちばん低い音から曲の最初の音を探しだす
  5. 探しだした音で曲を吹きはじめる

曲の中でいちばん低い音はどこか、というのはすぐに分かるでしょう。曲を吹いていて、低くなりすぎて吹けなくなる箇所です。一曲とおして問題なく吹けるならそもそも問題ないです、よかったですね。

いちばん低い音から最初の音を探し出す方法は以前に説明しました。
» 「鼻笛の吹き方、音程を保つには 1」

音程の捉え方として西洋音楽では「固定ド」と「移動ド」の論争があります。
鼻笛はまちがいなく「移動ド」の楽器です。

 

ティンホイッスルの吹き方、中休み 2

ティンホイッスルは映画『タイタニック』のテーマを吹いた笛です。指穴が6つしかないので簡単にドレミを鳴らせます。ティンホイッスルは移動ドの楽器ですから、楽譜の曲を覚えるときには注意が必要です。

楽譜どおりに吹けることはほとんどない

楽譜に記された曲を覚えるときに気を付けることは、ティンホイッスルは移動ドの楽器だということです。半音を出すのが苦手なので、たとえばDキーのホイッスルならニ長調かト長調、ホ短調かイ短調が吹きやすくて、他の調はあまり実用的ではありません。では他の調の曲を吹くときは?運指はそのままその調に合った高さのホイッスルに取り替えて演奏します。

そんなですから楽譜に記されたとおりに正しい音の高さで演奏したいのであれば、いろいろな高さのホイッスルを用意する必要があります。(C、D、Eキーのホイッスルが揃っていればなんとかなるかなと思います。)

逆にお手持ちのホイッスルが一本しかないのであれば、そのホイッスルの得意な調に曲を移調して演奏する必要があります。つまりいちばん吹きやすくなるように、ぜんたいの音を上下にずらして演奏します。それには楽譜を移動ドで読めばよい。過去の記事で詳しく説明していますのでそちらを参考にしてください。
» きみにはきっと移動ドがにあう(過去の記事の抜粋)

 

鼻笛で『愛のテーマ』を吹いてみた

「全日本鼻笛ポッポコピー」という鼻笛の日本公式サイトみたいなサイトがありまして、最近そこに出入りしている関係で鼻笛づいています。管理者の行田さんが私と違う切り口で鼻笛の吹き方を懇切丁寧に説明しているので、これから鼻笛を覚える人はウェブでいろんな情報をいいとこ取りしていけばいいかなと思います。
「全日本鼻笛ポッポコピー」は近いうちに詳しく案内します。

ファイナルファンタジー『愛のテーマ』

私は「手っ取り早くそこそこ上手っぽくなる」をモットーに鼻笛の吹き方を連載します。鼻笛は他の笛と違って音程がとても不安定で、きちんと音程がとれるようになるにはこれはさすがに訓練しかないようですが。上手っぽく聴かせるあざとい手もいろいろ教えるでしょう。

  • 移動ドによる音程の安定化
  • スライド―音のずり上げ―の多用
  • 過剰な抑揚表現
  • 息を使うビブラート

私自身が鼻笛を吹きはじめて数ヶ月なので、どこまでできるのか分かりません…他の楽器でも遊ばないといけませんし。とにかくこんなスタイルの演奏を目標に教えていくつもりです。
» 鼻笛で『愛のテーマ』を吹いてみた

安物には安物のよさも

視聴サンプルの音がかすれ気味なのは私の腕のせいもありますが、私が持っている鼻笛の限界でもあるらしいです。つまり私の十把一絡げな鼻笛では達人モスリンさんのような音はぜったいに出ないとのこと。

まあないものねだりしてもしかたありませんし、実際のところ私はこのかすれ具合が気に入っています。ビブラートをかけると泣いているように聞こえます。

視聴サンプルを聴いて目立つのは息継ぎの汚なさです。
音色云々よりもまずこれをどうにかしたい。

 

横笛の吹き方、楽譜の読み方 6

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。横笛で吹くならドレミの位置を上下にずらして楽譜を読む「移動ド読み」がうまくいきます。どれだけずらして読めばいいのかは決まっています。

楽譜を移動ドで読むときのドレミの位置(b編)

横笛のようなダイアトニックな楽器―ドレミは簡単だが半音が苦手な楽器―で演奏するときは、楽譜を移動ド読みするのがよいと説明しました。ホ長調の楽譜ならホの音(=ピアノの白鍵のミの音)からドレミ…と読みます。じゃあト長調のときは、ニ長調のときは?

どこからドレミを読むのかは楽譜によりけりですが、それは楽譜の左端についている#やbの数で一律に決まります。楽譜の左端にbが付いている場合のドレミの位置をまとめてみました。

譜面を「移動ド」で読めない人へ

「理屈は分かるが、ただでさえ楽譜を読むのがたいへんなのにドレミをずらして読めるものかっ。」という人へ。便利なプログラムを用意しました。ふつうにドレミを書いて、譜面に付いている#やbの数を指定すると、移動ドのドレミに変換します。

» 固定ドを移動ドに変換するプログラム

たいていの曲はこれで#とbが落ちて簡単になります。オマケみたいなプログラムなのでそこそこの性能ですが、よろしければご利用ください。

 

2008年04月17日

横笛の吹き方、楽譜の読み方 5

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。横笛で吹くならドレミの位置を上下にずらして楽譜を読む「移動ド読み」がうまくいきます。どれだけずらして読めばいいのかは決まっています。

楽譜を移動ドで読むときのドレミの位置(#編)

横笛のようなダイアトニックな楽器―ドレミは簡単だが半音が苦手な楽器―で演奏するときは、楽譜を移動ド読みするのがよいと説明しました。ホ長調の楽譜ならホの音(=ピアノの白鍵のミの音)からドレミ…と読みます。じゃあト長調のときは、ニ長調のときは?

どこからドレミを読むのかは楽譜によりけりですが、それは楽譜の左端についている#やbの数で一律に決まります。楽譜の左端に#が付いている場合のドレミの位置をまとめてみました。

譜面を「移動ド」で読めない人へ

「理屈は分かるが、ただでさえ楽譜を読むのがたいへんなのにドレミをずらして読めるものかっ。」という人へ。便利なプログラムを用意しました。ふつうにドレミを書いて、譜面に付いている#やbの数を指定すると、移動ドのドレミに変換します。

» 固定ドを移動ドに変換するプログラム

たいていの曲はこれで#とbが落ちて簡単になります。オマケみたいなプログラムなのでそこそこの性能ですが、よろしければご利用ください。

 

2008年04月10日

横笛の吹き方、楽譜の読み方 4

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。楽譜を横笛で吹くなら移動ド読みするとうまくいくのですが、ピアノなどと合奏するときに気をつけることがあります。

ダイアトニックな楽器で演奏するときの注意

横笛のようなダイアトニックな楽器―ドレミは簡単だが半音が苦手な楽器―で演奏するときは、楽譜を移動ド読みするのがよいと説明しました。チューリップならハ長調でもホ長調でもなんでも「ドレミ、ドレミ、ソミレドレミレ」と吹きます。

でも本当はホ長調のチューリップはやっぱり「ミファ#ソ#、ミファ#ソ#、シソ#ファ#ミファ#ソ#ファ#…」と吹くのが正しいです。でないとピアノと合奏するとき音の高さがずれてしまいます。
「じゃあやっぱりミファ#ソ#…と吹かないとダメじゃん。わあたいへん。」

さてどうするか?ホ長調用の横笛に取り替えて演奏します。
ホ長調用の横笛はふつうの横笛―ハ長調用の横笛―よりも少し音が高い。「ドレミ、ドレミ、ソミレドレミレ」と吹いても、出てくる音は「ミファ#ソ#、ミファ#ソ#、シソ#ファ#ミファ#ソ#ファ#…」になっています。ニ長調の曲を演奏するときは?ニ長調用の横笛を使います。ト長調の曲はト長調用の横笛です。これは便利。

欠点はいろいろな高さの笛をたくさん用意しなければならないこと。ハーモニカやオカリナのコンサートを観に行ったとき演奏者が大きさの違う楽器をずらーっと用意していて、「あんなにコレクションするなんてマニアだなー」と思った経験はありませんか?あれは別にマニアなわけではなくて、つまりそういうことなんです。

写真はオーバートン社のホイッスル一式。美しいですね。

 

2008年04月03日

横笛の吹き方、楽譜の読み方 3

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。楽譜の読み方には「固定ド」と「移動ド」の二つがあって、横笛を吹くなら移動ド読みするとうまくいきます。

楽譜の移動ド読みとダイアトニック楽器

楽譜の読み方には二つあります。

  • いつもピアノの白鍵のドレミで楽譜を読む、#やbが付いていればその音を半音上げたり下げたりする…いつも同じドレミで楽譜を読むことから、このような読み方を「固定ド読み」と言います。
  • 一方で、ドレミの位置を上下にずらして譜面を読む読み方があります。これを「移動ド読み」と言います。

横笛のように、ドレミは簡単に吹けるんだけど半音を出すのは一苦労、という楽器をダイアトニックな楽器と言います。ダイアトニックな楽器を演奏するときは楽譜を移動ドで読むのが有効です。

たとえばホ長調のチューリップを固定ドで読むと「ミファ#ソ#、ミファ#ソ#、シソ#ファ#ミファ#ソ#ファ#…」です。と言われても、これがチューリップだとはピンとこないでしょう。

一方の移動ドで読むなら、ホの音(=ピアノの白鍵のミの音)からドレミ…と読みます。するとホ長調のチューリップは「ドレミ、ドレミ、ソミレドレミレ…」と読めます。これならすぐに吹けますね。このように曲のカタチがすぐに分かるというのが移動ド読みのメリットです。

ただし弱点があって、途中で移調・転調をするような曲を読むことができません。といってもそもそもダイアトニックな楽器は移調・転調が苦手ですから…そんな曲に手を出さないのが無難です。

 

2008年03月26日

横笛の吹き方、楽譜の読み方 2

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。楽譜の読み方には「固定ド」と「移動ド」の二つがあって、よくやるやり方―固定ド読み―はピアノのような楽器に向いています。

楽譜の固定ド読みとクロマティック楽器

楽譜の読み方には二つあります。

  • いつもピアノの白鍵のドレミで楽譜を読む、#やbが付いていればその音を半音上げたり下げたりする…いつも同じドレミで楽譜を読むことから、このような読み方を「固定ド読み」と言います。
  • 一方で、ドレミの位置を上下にずらして譜面を読む読み方があります。これを「移動ド読み」と言います。

ピアノのように、半音をすぐに出せる楽器をクロマティックな楽器と言います。クロマティックな楽器で演奏するときは楽譜を固定ドで読むのが有効です。固定ドで読むメリットは、どんな音が出てきても怯まない、どんな曲でも得手不得手なく真っ平らに演奏できる、ということです。曲の途中で移調しようが転調しようが関係ありません。だあーっと最後まで演奏できます。そしてこのような演奏を可能にするのがクロマティックな楽器だといえます。(半音の苦手な横笛だとこうはいきません。)

ただし固定ドで読むと曲のカタチが見えにくくなります。
例えばホ長調のチューリップは「ミファ#ソ#、ミファ#ソ#、シソ#ファ#ミファ#ソ#ファ#…」です。と言われても、これがチューリップだとはピンとこないでしょう。

あるいは小学校の音楽の時間に「曲の最後がドで終わるのが長調の曲、ラで終わるのが短調の曲。長調の曲は明るい感じで、短調の曲は悲しい感じ。」のようなことを習いませんでしたか。そして「そんなこと言ったって実際の楽譜を見ると、ミで終わったりレで終わったりして、ぜんぜんそんなじゃないよ。」とグチったことはありませんか。

最近のカッコイイ曲は一概に長調だ短調だと決めつけることはできませんが、それでもたいてい、ドかラの音で終わるというのは本当です。そしてそんな基本的なことでさえ、楽譜を固定ドで読んでいては見えてこないのです。

 

2008年03月19日

横笛の吹き方、楽譜の読み方 1

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。ピアノならシャープだろうがフラットだろうがそのまま強引に演奏してしまうところですが、半音を出すのに一苦労の横笛ではそうはいきません。

半音に強い楽器、弱い楽器

そもそも半音に強い―半音を簡単に出せる―楽器とそうでない楽器があります。

たとえばピアノは半音に強い楽器です。黒鍵を叩けば簡単に半音が出ます。このような楽器をクロマティックと言ったりします。クロマティックな楽器の本質は「全部の音をすぐに出せるように出来ている」ということです。全部の音を出せますからどんな曲でも弾けます。曲の途中で移調しようが転調しようが怯みません。

そのかわり演奏は比較的にむつかしくなります。ピアノの鍵の数は88、名曲「ネコふんじゃった」を演奏するのに必要な音の数が15個くらい?だとすると、演奏者の目の前には実に5倍以上の『絶対に使わない弾いてはいけない鍵』がずらっと並んでいるわけです。統計的に考えれば、そりゃ弾き間違えますよね…

一方の横笛はドレミを吹くのは簡単ですが、半音を出すためには指穴を半分開けたりと一苦労です。このような楽器をダイアトニックと言ったりします。ダイアトニックな楽器の本質は「必要最小限の音だけ用意している」ということです。そういう意味では日本の篠笛やインディアンフルートなども(音階がドレミではありませんが)ダイアトニック的な楽器と言っていいと思います。

ダイアトニックな楽器の演奏は比較的に簡単です。そもそも出せる音が少ないので間違えることも少ない。そのかわりちょっと音の高さを変えて演奏する、というようなことが難しい。曲の途中で移調・転調なんて勘弁してほしいです。このような楽器を演奏するときは「楽譜を移動ド読みする」とうまくいきます。

 

2008年02月07日

横笛の吹き方、中休み 1

半音記号の付いた楽譜を簡単に演奏するには

「横笛で吹きたい曲があるんですけど、楽譜にシャープやフラットがいっぱい付いていて大変です。」という話をお客さんから伺いました。たしかに。ハ長調の曲は分かりやすくていいのですが残念ながら、たいていの楽譜には#やbなど半音記号が付いています。「歌うと簡単な曲なんだから横笛でも簡単に吹ければいいのに。」まったくそのとおりです。

固定ドと移動ド

実は楽譜の読み方には二つあります。
ピアノの白鍵のドレミで楽譜を読む、#やbが付いていればその音を半音上げたり下げたりする…いつも同じドレミで楽譜を読むことから、このような読み方を「固定ド」と言います。

一方で、ドレミの位置を上下にずらして譜面を読む読み方があります。これを「移動ド」と言います。#やbの数にしたがって適切にドレミをずらして読むと、メロディーは劇的に簡単になります。

以下はホ長調の楽譜です。いつものように「固定ド」で読んだドレミを付けています。これを笛で吹くときは、#の付いている音を半音高くして吹くのを気をつけてください。

一方の「移動ド」というのはホ長調の場合、ふつうのミの音からドレミ…と読みます。同じ楽譜を「移動ド」で読よむとこうなります。

実はこれはチューリップの曲でした。「ドレミ ドレミ ソミレドレミレ」これなら簡単に吹けますね。

チューリップにかぎらず、たいていの曲はこのようにドレミの位置を上下にずらして読むと簡単になります。

譜面を「移動ド」で読む方法

このように便利な移動ド読みなのですが、ただでさえ楽譜を読むのがたいへんなのに、ドレミをずらして読めるものかっ。ということで、プログラムを作りました。ふつうにドレミを書いて、譜面に付いている#やbの数を指定すると、移動ドのドレミに変換します。

» 固定ドを移動ドに変換するプログラム

あるいはページ右の『ユーティリティ』からでもご利用になれます。

たいていの曲はこれで#とbが落ちて簡単になります。オマケみたいなプログラムなのでそこそこの性能ですが、よろしければご利用ください。

移動ドの詳しい説明は次回にでもしましょう。